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4月28日7時56分配信 産経新聞

 大阪市のマンションで平成14年、母子を殺害し部屋を全焼させたとして殺人などの罪に問われ、2審で死刑判決を受けた大阪刑務所の刑務官、森健充被告(52)=休職中=の上告審判決で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は27日、「審理を尽くしておらず、事実誤認の疑いがある」として、1審の無期懲役判決と2審判決を破棄、審理を大阪地裁に差し戻した。無罪となる可能性が出てきた。

 最高裁が無罪を主張する被告の死刑判決を破棄するのは戦後7件目。同小法廷5人の裁判官のうち、堀籠幸男裁判官は反対意見をつけた。

 森被告は捜査段階から無罪を主張。森被告と犯行を結びつける直接証拠はなく、検察側は間接証拠の積み重ねで立証した。

 主な状況証拠は、現場マンション階段の灰皿から採取されたたばこの吸い殻に付着した細胞のDNA型が森被告と一致したことや、森被告の車と同種同色の車の目撃証言などだった。

 同小法廷は状況証拠での事実認定について、「状況証拠で認められる事実の中に、被告が犯人でないなら合理的に説明できない事実関係が含まれていることが必要」との新基準を提示、慎重な事実認定を求めた。

 さらに、犯行当日に森被告がマンションを訪れた根拠とされた吸い殻について、「フィルター部分全体が変色しているのは不自然」と指摘。「事件以前に捨てられた可能性もあり、事件当日に被告がマンションに赴いたという事実は認定できない」とした。

 森被告は14年4月、主婦の森まゆみさん=当時(28)=を絞殺。長男の瞳真(とうま)ちゃん=同(1)=も殺害し、部屋を全焼させたとして起訴された。

最終更新:4月28日9時37分

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4月22日11時48分配信 毎日新聞

 裁判員制度の違憲性が争われた刑事裁判の控訴審判決で、東京高裁(小西秀宣裁判長)は22日、「憲法は裁判官以外の者を下級裁判所の構成員とすることを禁じておらず、国民参加を許容している」と合憲判断した。そのうえで、殺人罪に問われた中国籍の整体師、付佳男(ふかなん)被告(26)を懲役18年とした裁判員裁判の1審・宇都宮地裁判決(09年12月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。裁判所が裁判員制度の憲法判断を示すのは初めて。

 弁護側は裁判員制度について、憲法32条の「裁判所で裁判を受ける権利」や37条の「公平な裁判所の公開裁判を受ける権利」を侵害して違憲と主張し、1審判決破棄を求めた。高裁は「裁判員の資格要件があり、法令解釈は裁判官が行い、事実認定などは裁判官と裁判員が対等な権限で評議する。憲法の要請に沿い被告の権利を侵害しない」と退けた。

 さらに「制度は国民の司法への理解と信頼向上という重要な意義を持つ」として、▽やむを得ない場合に辞退を認める▽争点や証拠を整理し集中審理する▽旅費や日当を支給する--などの措置が講じられ、国民の負担は必要最小限度と判断。守秘義務についても「適正な裁判に必要不可欠」と述べた。

 裁判員制度に反対する学者は「一般人の裁判員が加わった裁判所は憲法の『公平な裁判所』とは言えない」との見解を示している。

 高裁判決によると、付被告は09年3月9日、千葉県御宿町の知人の中国人男性(当時30歳)方で男性の胸を包丁で刺し殺害、遺体を栃木県内に遺棄した。1審の弁護人は制度の違憲性を主張していなかった。【伊藤直孝】

最終更新:4月22日12時45分

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4月9日13時41分配信 毎日新聞

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が掲示した張り紙をはがしたとして、懲戒免職処分にされた元係長の男性(45)が処分の取り消しを求めた訴訟で、鹿児島地裁(牧賢二裁判長)は9日、「処分は裁量権のらん用で違法」として元係長の主張を認め、市に処分の取り消しを命じた。

 元係長を支援する市職員労働組合が原告となった訴訟も含めると、竹原市政を巡る三つの訴訟すべてで市長側が敗訴した。

 元係長は竹原市長が庁舎各課の入り口に張り出した、各課の職員給与総額が書かれた紙をはがし、09年7月末、竹原市長から懲戒免職処分を受けた。

 元係長は8月に「処分は裁量権の逸脱・乱用で違法」として提訴。同時に判決確定までの間、処分の効力停止を申し立てた。

 地裁は10月「処分が不適法と評価される余地がないとはいえない」として、処分の効力停止を決定。元係長はその後出勤したが、決定に従わない竹原市長が就労を拒み続け、出勤と早退・自宅待機を繰り返している。

 竹原市長は「元係長が現場に戻れば市政運営に悪影響が生じる。人事は首長の専権事項であり、裁判所はその適否を論じる資格を持たない」と請求棄却を求めていた。

 地裁は10年3月、決定後も元係長に払っていない賃金を支払うよう市に命じたが、竹原市長は応じず、地裁川内支部が市の預金口座の差し押さえ命令を出し、今月6日、元係長に約220万円が支払われた。

 市職労の事務所使用を拒否した市長の処分取り消しを巡る訴訟は09年10月、地裁が処分取り消しを命じたが、竹原市長は「裁判所は神ではない」と発言。司法を否定するような態度を取り続けている。【川島紘一】

最終更新:4月9日14時20分ad

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3月29日22時1分配信 毎日新聞
 共産党機関紙の配布が国家公務員法違反に問われた事件で、旧社会保険庁職員、堀越明男被告(56)を逆転無罪とした29日の東京高裁判決は、国家公務員の政党機関紙配布などを一律に禁じた同法や人事院規則、それを合憲と認めた最高裁判決(74年、猿払=さるふつ=判決)に疑問を投げ掛けた。検察側は上告するとみられ、最高裁が今後、判例を見直すかどうかが焦点になる。

 猿払判決は、職種、勤務時間内外などの区別なく政治的中立性を損なう行為の禁止を認めた。今回の1審判決や、警視庁官舎に共産党機関紙を配布したとして同法違反に問われた元厚生労働省課長補佐に対する東京地裁判決(08年9月)はこれを踏襲した。

 29日の判決は、猿払判決から30年以上が経過して国民の表現の自由に対する認識が深まり、西欧諸国が国家公務員の政治活動を緩やかに解釈していることを指摘し、一律の罰則適用は違憲と判断。堀越被告の場合は▽管理職でない▽休日に配布した--ことなどを無罪の理由とした。元厚労省課長補佐も休日に配布しており、同じ枠組みをあてはめれば、「課長補佐」の地位や職務内容が結論を左右することになる。

 一方、政治的ビラの配布を巡っては、ほかに(1)市民団体の自衛隊イラク派遣反対ビラ配布事件(2)僧侶の共産党ビラ配布事件--がある。いずれも住居侵入罪に問われ、最高裁で有罪が確定した。ともに建物に立ち入ってドアポストに配布しており、最高裁は「管理者の意思に反し、住民の私生活の平穏を害する」と断じた。集合ポストに配布した堀越被告は住居侵入罪に問われず、元厚労省課長補佐も同容疑は起訴猶予となっている。【北村和巳】

最終更新:3月30日0時29分

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3月19日21時7分配信 毎日新聞

 個々の被害者や被害金額の特定が難しい、うその街頭募金に詐欺罪が成立するかどうかが争われた刑事裁判で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は17日付の決定で「特定できなくても詐欺罪は成立する」との初判断を示した。そのうえで同罪などに問われた大阪市阿倍野区の自称NPO法人代表、横井清一被告(39)側の上告を棄却。懲役5年、罰金200万円とした1、2審判決が確定する。

 街頭募金を悪用した詐欺として、大阪府警が全国で初めて立件した事件だった。1、2審は募金総額を被害額と認定したが、被告側は「詐欺は被害者ごとに成立する。それぞれ立証しなければ全額を被害額とみることはできない」と主張して上告していた。

 小法廷は、(1)不特定多数の通行人に同内容の寄付の働きかけを継続しており、被害者ごとに区別してだましていない(2)寄付者は名前を告げず、募金箱に入れば他の募金と混ざって特定できなくなる--点を指摘。「募金の方法、期間、場所と得た総金額を示せば、罪の内容は特定可能」と指摘し、うその募金活動全体を一つの罪と解釈できると判断した。

 ただし須藤正彦裁判官は補足意見で「可能な限り特定した被害者ごとに、被害を具体的に証明すべきだ」と注文を付けた。

 弁護側は「寄付の動機はさまざま」とも主張したが、小法廷は「被告の真意を知っていれば寄付することはなかった」と退けた。

 1、2審判決によると、横井被告は04年10~12月、大阪、京都、神戸などの繁華街で、仕事内容を偽って募集したアルバイトに「難病の子どもたちを救うために募金に協力をお願いします」と連呼させ、通行人から総額約2480万円の寄付金をだまし取った。【銭場裕司】

最終更新:3月19日23時3分

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3月19日13時31分配信 毎日新聞
 NHKが受信料の支払いを拒否していた札幌市中央区の男性に約12万円を請求した訴訟の判決が19日、札幌地裁であり、杉浦徳宏裁判官はNHK側の請求を棄却した。NHK広報局によると、受信料の督促を巡る訴訟で、NHKの訴えが認められなかったのは全国で初めて。

 男性は、契約したのは妻だったとして03年12月から08年3月まで52カ月分の受信料約12万円を支払っておらず、NHK側は「民法は日常家事について夫婦が連帯債務を負うと定めている」と主張していた。これに対し、判決は「男性が妻に代理権を授与したり、妻の行為を追認したことを認める事実は認定できない」などとして、男性の連帯債務を否定した。

 NHK広報局によると、受信料の督促を巡る訴訟でこれまでに全国で簡裁27件、地裁1件の判決が出ていたが、すべて受信料の支払いを命じるものだったという。【水戸健一】

最終更新:3月19日14時4分

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2008.2.29 15:33

このニュースのトピックス:事件・トラブル

 ラーメン店チェーンを経営する企業がカルト団体と関係があるかのような書き込みをインターネットのホームページで掲載し、企業の名誉を傷つけたとして、名誉棄損罪に問われた会社員の橋爪研吾被告(36)の判決公判が29日、東京地裁で開かれた。波床昌則裁判長は、「名誉棄損には当たらない」として、罰金30万円の求刑に対し、無罪を言い渡した。一般市民のインターネットへの書き込みに対して、名誉棄損罪の基準を示した初めての判断とみられる。

 波床裁判長は、まず一般市民によるインターネット上の書き込みで名誉棄損罪が成立するか否かを検討。「ネット上では利用者が互いに反論できる上、情報の信頼性が低いため、従来のメディアに対する基準は当てはまらない」と指摘。「公益目的と認められる書き込みについて、真実でないと知りながら書き込んだ場合か、ネットの個人利用者で可能な限りの事実確認を行わずに書き込んだ場合に、名誉棄損罪が成立する」との新たな基準を示した。

 波床裁判長は、被告の書き込みが公益目的だったと認定。その上で、企業の登記簿や雑誌の記事などの情報収集を行っていたことなどを指摘し「ネットの個人利用者として可能な限りの事実確認を行った。名誉棄損には当たらない」と結論付けた。

 橋爪被告は平成14年10~11月、自身が開設したホームページでラーメン店チェーン「ニンニクげんこつラーメン花月」の運営会社を「カルト団体の母体」などと掲載。真実ではなく、名誉を傷つけたとして起訴された。

 この事件をめぐる民事訴訟では男性の書き込みが名誉棄損に当たると判断され、賠償を命じた判決が確定している。

Notes

3月16日17時42分配信 時事通信

 インターネット上でラーメン店チェーン運営会社を中傷する書き込みをしたとして、名誉棄損罪に問われた会社員橋爪研吾被告(38)について、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は15日付で、被告側上告を棄却する決定をした。罰金30万円とした二審の逆転有罪判決が確定する。
 決定で同小法廷は、ネット上の個人表現での名誉棄損罪の成立について、「ほかの表現手段と比べ、より緩やかな要件を適用すべきではない」とする初判断を示した。
 同小法廷は、個人発信のネット情報について、「信頼性が低いと受け取らない閲覧者もおり、ほかの表現手段と区別して考える根拠はない」と指摘した。
 その上で、ネット情報は不特定多数が瞬時に閲覧可能で、被害が深刻な場合もあり得ることや、ネット上の反論で名誉回復が図られる保証はない点を考慮。メディア報道などと同じ基準で判断すべきだとした。 

最終更新:3月16日19時8分

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2月16日19時38分配信 時事通信

 鹿児島県鹿屋市の元飲食店店長松元洋人さん(35)が「低酸素脳症」を発症し、意識不明で寝たきりになったのは、長時間の時間外労働が原因として、松元さんと両親が、飲食店経営会社「康正産業」(鹿児島市)を相手に計約3億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は安全配慮義務違反と発症との因果関係を認め、未払いの残業代を含め計約1億9500万円の支払いを命じた。
 原告側代理人によると、損害賠償額は約1億8700万円で、過労をめぐる訴訟では最大規模という。
 判決は、松元さんが2004年に低酸素脳症を発症する1カ月前の残業時間を月176時間、発症2~6カ月前も同平均200時間と認定。「被告に安全配慮義務違反があったことは明らかで、不法行為にも該当する。低酸素脳症発症との間に因果関係もある」と指摘した。
 判決後会見した母紀子さん(60)は「『(判決は)会社を断罪している』という話を弁護士から聞いて、胸のつかえが取れた」とコメント。父美幸さん(66)も「息子に良い報告ができる。これで介護に専念できる」と話した。
 康正産業は1970年設立で、正社員は約380人。鹿児島、福岡、宮崎、熊本の4県ですしや和食レストランなどを展開している。
 康正産業の話 判決文を見て、今後の対応を決める。 

最終更新:2月16日19時40分

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1月21日1時22分配信 毎日新聞

 北海道砂川市が市有地を無償で空知太(そらちぶと)神社に使わせていることは、政教分離を定めた憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は20日、「憲法が禁じた宗教団体に公の財産を提供する行為」と述べ、市の土地提供を違憲と判断した。その上で「違憲性を解消する他の手段について審理が必要」と、1、2審判決を破棄し、審理を札幌高裁に差し戻した。

 政教分離訴訟で最高裁が違憲判断を示すのは、97年の愛媛玉ぐし料訴訟判決に続き2例目。大法廷判決は裁判官14人のうち8人の多数意見。元中学教諭でクリスチャンの谷内栄さん(79)らが菊谷勝利市長を相手取り建物を所有する町内会に施設撤去を求めないことの違法確認を求め、1、2審が違憲と判断し、請求を認めていた。

 政教分離訴訟を巡っては、津地鎮祭訴訟の最高裁判決(77年)が、憲法が禁じる国や地方自治体の宗教的活動について「目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教に対する援助や圧迫などになる行為」と示し、この「目的・効果基準」に沿って司法判断がされてきた。これに対し大法廷は「宗教施設の性格、無償提供の経緯や態様、一般人の評価など諸般の事情を考慮して、社会通念に照らして総合判断すべきだ」との新たな基準を示した。

 その上で市の行為の違憲性を検討。鳥居や「神社」の表示、ほこらの存在など外形的事実から神社施設にほかならず、行われる祭事も宗教的行事と認定。「土地提供は宗教団体である氏子集団の宗教的活動を容易にし、一般人の目から見て特定の宗教に便宜供与し、援助していると評価される」と判断した。

 一方、違法確認を求めた原告の請求については「施設撤去以外にも有償・無償での譲渡や貸し付けなど、違憲性解消の適切な手段があり得る」と指摘。施設撤去は氏子集団の信教の自由に重大な不利益を及ぼすとも述べ、1、2審判決を破棄し審理を差し戻した。

 反対意見は2人。今井功裁判官は違憲判断した上で「市の上告を棄却すべきだ」と述べ、堀籠幸男裁判官は「施設は習俗的な意味合いが強い」と合憲との見方を示した。甲斐中辰夫裁判官ら4人は「施設の利用実態や経緯、氏子集団の実態などを総合的に認定しなければ憲法判断できない」と意見を述べた。

 一方、砂川市が富平神社の敷地を町内会に無償譲渡したことの是非が問われた訴訟でも判決が言い渡され、大法廷は「譲渡は違憲の恐れがある状態を解消するためだった」とし全員一致で合憲と判断。市民の上告を棄却し、原告敗訴の1、2審判決が確定した。【銭場裕司】

 【ことば】政教分離

 国や地方自治体が宗教的に中立であることを要求する憲法上の原則。国家と神道の密接な結びつきが戦争突入につながったと考えた連合国軍総司令部(GHQ)が、1945年に神道指令を出し、国家と神道が分離された。これを背景に、信教の自由を保障するため、日本国憲法に政治と宗教を分離する規定が盛り込まれた。20条は、宗教団体が国から特権を受けたり、政治上の権力を行使することのほか、国が宗教的活動をすることも禁止している。89条は宗教団体への公金支出を禁じている。

最終更新:1月21日1時45分

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