There is nowhere to live...

これはもう1曲目しかない

──それでは、ここからはニューアルバム「カンチガイもハナハダしい私の人生」についてお訊きします。誰が聴いてもまず1 曲目で必ず驚くはずの、ものすごく大きな突っ込みどころが用意されていますよね。Perfume、中田ヤスタカ(capsule)さんからの影響を色濃く 感じさせるというか(笑)。

いやそれはもう僕、大ファンですから。例えばビリー・ジョエルのあの感じ、THE BEATLESのああいう雰囲気の曲が作りたいとか、具体的な目標とかあこがれの対象があって、そこに向かって作っていくというのを僕はずっと普通にやり 続けていて。「REGIKOSTAR ~レジ子スターの刺激~」はその中に含まれる、最近作った 曲のうちのひとつですね。

──たまたま彼女たちがKANさんよりも後輩だったというだけで。

Perfumeのここ2枚のアルバム(「GAME」「⊿(トライアングル)」)は何度も聴いてますね。音楽的にすごいファンですよ。

──たしかに最近のクラブミュージックで主流を行くエレクトロサウンドながらも、長年ポップスを作り続けてるKANさんな らではの、複雑に練り込まれたメロディやコードの流れが印象的で。歌詞も、言葉の響きを計算した上で作られているように感じました。

曲自体は特に新しいことをやったつもりはなくて。だからこういうサウンドや歌処理にしなかったら、他の曲とそんなに変わらない。「えらくかわいいも ん作っちゃいましたね」ぐらいの(笑)。でも、ちょっとしたメロディの運びは「Perfumeだったらこう行くだろ」と思いながら作ってますよ。掴みのフ レーズだったり、途中に四分音符だけのメロディがあったり。サビで同じパターンのメロディがずっと繰り返される中、コード進行で操作するとか。中田さんの メロディのバリエーションはすごいですから。

──中田さんをメロディメーカーとして高く評価されているんですね。

この曲も僕ならではということはなく、中田さんのバリエーションの範囲内だと思いますけどね。彼の作る音楽は大きいジャンルで言えばテクノに収めら れるのかもしれないけど、特にシングル曲は詞と曲がちゃんと良いし、そんな曲ってなかなかないですよね。同時にサウンド先行型の、ヨーロッパのクラブで普 通にガンガンかかっててもおかしくないような曲もバランスよくあるし。

──しかし、アルバムの冒頭にこの曲を持ってくるというのが、KANさんらしいですよね。

本気でやってるから。これがもし6曲目、7曲目ぐらいだと企画モノと思われちゃうんでね。そうなったらすごくイヤだなと思って。だからこれはもう1 曲目しかないだろっていう。

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――1曲目「REGIKOSTAR~レジ子スターの刺激~」、いきなりびっくりしました。テクノポップですね。

KAN: これはね、Perfumeです(笑)。僕がビートルズ、ビリー・ジョエル、スティーヴィー・ワンダーとかが好きで、たとえば「ビリー・ジョエルのああいうタイプの曲が作りたい」とか、そういう作り方はずっとやってきたんですけど、それとまったく同じですね。「Perfumeカッコいいな、俺もこういうのやってみたい」と。実際には、何がPerfumeかといえば、音作りとヴォーカル処理なんですよ。曲自体は僕の昔からあるタイプのメロディなので、曲は自然に作りました。ただ、最新の音作りのことは僕はわからないので、そこは若い人に頼んだんです。僕が作ったデモはすごく80年代っぽくて、カイリー・ミノーグの最初の頃とかバナナラマとか、ああいう感じだったのを、今の音色にしてもらったんですね。20歳以上下の人に音作りを任せたのは初めてで、明らかに世代が違う感じが良かったですね。

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